精子の運動率は温度がポイント!
冬の寒い日、自宅で出した精液をクリニックに持参するとき、どのように持って行くのがいいのでしょうか。
寒くて、精子が死なないのかな心配…
人間だって寒すぎたら死ぬわけで、精子も同じじゃないかな、と心配になりませんか?
実は、夏場とくらべて冬場の精子の運動率は10%も下がるそうです。
冬場は精液の温度管理に注意が必要なんですね!
精子の運動率を下げない温度とは?
精子の運動率を下げないようにするには、何度くらいにキープする必要があると思いますか?
答えは、
20℃〜25℃です!
精液を射出する前、精子は陰嚢のなかで貯蔵されています。陰嚢は体温より低く34~35℃となっています。
過去の論文に射出精子を4℃、20℃、37℃で保存し精子所見が経時的にどのように変化するのかを検討したものがありました。
その論文によると20℃で保存したものは12時間経過しても運動率の低下があまり見られなかったものの、4℃と37℃では運動率が優位に低下したそうです。37℃での保存だと精液中の細菌が増殖することで精子が死滅したり、暑すぎると精子が活性化してしまいエネルギーを消費することで運動率が低下するそうです。
この論文から、精子は寒くても暑すぎても運動率が低下してしまうことがわかります。いくつかの論文では20~25℃が精子を持参するのに最適な温度ともいわれています。
引用元
つまり、熱すぎても、冷たすぎてもダメなんです!
精子の温度の保ち方
精子の運動率を下げないためには、熱すぎず、冷たすぎないようにする必要があることはわかりました。
では、どのように温度を保ちつつクリニックに持参すればいいのでしょうか?
タオルに包んで持っていく、が手軽ですよね。やっている方が一番多いのではないでしょうか。
小さい容器なら、履いてるタイツのお腹部分に入れたり、ポケットに入れて手で温めるのもいいですよね。
ちょっと驚いたのがスープジャーに入れる方法です。推奨しているクリニックや、貸出ししているクリニックもあるんですって。
(もちろん、スープジャーの中に直接精子を入れるのではなく、精子を入れる専用容器ごと入れるんですよ!)
あと、注意してほしいのが、カイロで温めてはだめです!精子の運動率が下がらない温度は20℃〜25℃です。
温度が下がりすぎないようにすればよいので、温め過ぎは絶対にだめですよ!精子が死にます!
肌に当てて温めるのはオッケーです。クリニックでも持参方法として推奨されています。
冬場の精子温度管理は大変…
意外と冬場の精子の温度管理は大変ですね。
関東でもこれから雪が降る時期です。天候が悪いと、クリニックに行くのも一苦労です。
ちなみに、我が家はシリンジ法のみの妊活中なのですが、シリンジ法は、自宅で男性に自ら精子を出してもらうところまでは人工授精と同じです。
しかし、精子を屋外に持ち出すことはないため温度管理は簡単です。
シリンジ法とは、男性がマスターベーションで出した精子を、シリンジを使い、腟内に直接注入する方法です。※シリンジとは、スポイトのようなもの
シリンジ法とは?使い方と注意点。私はシリンジ法で妊娠しました
人工授精の家庭版とも言えます。(正確には人工授精とシリンジ法は別物です)
男性女性ともに不妊の症状がなく、問題がないご夫婦やカップルであれば、人工授精と合わせてシリンジ法も妊活に取り入れてはいかがでしょうか。
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